こんにちは。ゆきかわです。
この記事には、炭酸氷の一般的な話にとどまらず、入手方法、公開特許公報の解説、そして実際に炭酸氷を食べて、炭酸氷ハイボール、炭酸氷カクテルを飲んだ感想を記しています。
炭酸氷について知っている人も、知らない人も、きっと新しい情報があります。
炭酸が好きな方、炭酸氷に興味がある方、ウイスキーが好きな方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
炭酸氷シュワポップとは?
炭酸氷とは?
公式ホームページによると、
炭酸氷とは、独自の製法で氷に炭酸を閉じこめた世界で初めてのしゅわしゅわする氷です。
とのこと。炭酸スイじゃないですよ、炭酸ゴオリですよ。お間違えのないように。
この独自の製法ってやつが気になりますね。世界で未だかつて誰一人成し遂げてないことをするなんてすごすぎる。
実験室レベルでは実現されてそうな気もしますが、少なくとも工業化にまでたどり着いたのはこの会社が初めてということなのでしょう。
シュワポップとは?
こちらも公式ホームページによると、
シュワポップは炭酸氷にフレーバーをプラス。口の中でシュワッと未体験の食感を楽しめます。食べる炭酸という全く新しいスタイルのアイスです。
とのこと。食べる炭酸っていう響きがいいですね。
- 初めての食感
- カロリーゼロ
- バラエティ豊かなフレーバー(グレープ(注)・レモン・メロン・ソーダ)
- 名水百選に選ばれた天然水を使用
- アイスクリームやドリンクとの相性もばっちり
というのもポイントみたいです。
注)公式ホームページには「グレープ」と書かれていますが、アマゾンには「グレープ」ではなく「ベリー」しか売られていないのでご注意ください。
製造販売元
株式会社KIYORAきくち
熊本県菊池市にあります。熊本駅から車で1時間くらいのところです。
2008年6月に設立された、まだ新しい会社みたいです。
取り扱っている飲食店・娯楽施設
飲食店や娯楽施設で食べられるようです。
気軽に寄れるところもありますが、ほとんどはBARやホテルみたいですね。
気軽に寄れるところ
googleで情報収集したところ、神宮球場、上野公園、ジョル原宿という名前が挙がってきました。
販売の有無や値段を電話で確認したところ、以下の回答をいただきました(2018年7月31日現在)。
神宮球場
販売場所: 球場の中
値段: 400円
上野動物園
販売場所: 園内の「バードソング」「カフェカメレオン」の二店舗のみ
値段: 350円
ラムネアイスが上に乗ってるらしいです。ラムネと炭酸は相性良さそうですね。
バードソング:https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13131265/
カフェカメレオン:https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13128349/
ジョル原宿
期間限定の出店だったらしく、すでに閉店しているとのこと。残念。
気軽には寄れないところ
公式ホームページに主にホテルやBARの名前がいくつか挙がっています
下記リンク先のバーマップというところを見てみてください。
BARでカクテル、ハイボールを飲んでみた
正直なところ、結局炭酸入り氷ってことは、炭酸水に氷入れて飲むのと一緒でしょ?
確かに新しくて面白いけど、結局すぐ飽きられるんじゃない?と思っていました。
が、BARで試してみたところ、その考えは改めることに。
新宿にある、SPIRITS BAR Sunface SHINJUKUに行ってきました。
お店の詳細→https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13202221/
新宿駅西口から徒歩5分くらいのところにあります。ビルの10階にあります。
このお店、2年ほど前から炭酸氷を取り扱っているそうで、東京では3番目に炭酸氷を使い始めたそうです。先進的ですね。
フレッシュモモのカクテル
フレッシュモモのカクテルを作っていただきました。カクテルの名前はないらしい。
ウォッカベースにバラとルイボスティーが入っています。もちろん炭酸氷も使われています。
口に含むとしゅわしゅわします。微発泡です。
炭酸のしゅわしゅわ感と氷の冷たさと桃の自然な甘さが見事にマッチしていておいしかったです。
炭酸氷ハイボール
もう一つ、どうしても飲んでみたかったのが、炭酸氷ハイボール。
「炭酸氷と一番合うウイスキーはなんですか?」
と聞いたところ、
「なんでも合うけどオススメはバーボンだね!」
とのことでした。
さらにバーボンの中でも一番合うのが、ケンタッキーダービーの公式ドリンク「ミントジュレップ」に使われる「ウッドフォードリザーブ」
バーボン特有の甘さだけじゃなく、スパイシーさもありそれが炭酸氷と合うんだとか。
というわけで、マスターオススメのバーボンハイボール、いただきました。
写真を見てお分かりのとおり、めちゃくちゃシュワシュワしてます。ちょっと飲みにくい。
そして炭酸で割っていないので、オンザロックの濃さです。特濃ハイボールです。
ロックだからなのか、炭酸のシュワシュワに乗ってなのか、その両方なのか、香りがすごい。
初めての経験です。この氷がないと飲めない逸品。この氷を作ったKIYORAきくちさんに感謝です。
そしてこれ、ウイスキーを飲みきったらハイおしまい、というわけではありませんでした。
この炭酸氷を口に含むと、ウイスキーの味がします。めちゃくちゃうまいです。
バーボンハイボールアイスです。こんなアイスが欲しかった!幸せです。
そうこうしているうちに、めちゃくちゃパチパチし始めました。
面白いのですが、ときどき氷がはねてグラスから出てきます。
この炭酸氷、はじけてグラスが割れる危険があるので、これ以上大きいものは作れないんだとか。
オンザロックに使うサイズの大きな炭酸氷があったら最高なのですが...
KIYORAきくちさんのこれからの研究開発に期待しましょう。
シュワシュワ時間は測っていませんが、体感的には30分以上シュワシュワしてました。
ちなみに今回のカクテルとハイボール合せて4000円弱でした。高い...
このお店、普通のカクテルは1000円~とのことなので、やっぱり炭酸氷使ったカクテルはお値段高めなんでしょうね。
他にもいろいろなBARでいろいろなカクテルが作られているみたいなので、気になる人は公式HPを見てみて、BARに足を運んでみてください。
下記リンク先の、カクテルというところに載っています。
炭酸氷だけ食べてみた
炭酸氷だけも食べてみました。
写真がボケてて残念ですが、みてわかる通り真っ白です。
この炭酸氷、常温ではすぐにこんなふうに真っ白になってしまって、10分で炭酸が抜けてしまうらしいです。
実際に手のひらに乗せるとほんの1分ほどで真っ白になり、食べてみたところシュワシュワ感はかなり減ってしまいました。
購入した人は常温放置しないよう気を付けてくださいね。
入手方法
ネットで買えるみたいです。結構高いです、コレ。
マスターに聞いたところ、普通の氷の10倍以上の値段なんだとか。
ポンポン買えるもんじゃないですね。
公開特許公報の解説
炭酸凍らせるってすごく難しいみたいですね。
KIYORAきくちさんが3年間研究を積み重ねて「炭酸氷」が誕生したそう。
そしてその後のさらなる研究により「炭酸入り氷菓シュワポップ」が完成したみたいです。
そんなすごい技術なのであればぜひ特許を見てみなければということで、調べてみました。
特許庁の特許等サーチエンジン、J-Platpatを使って「KIYORAきくち」と検索してみたところ、ありました。2件。
検索方法の解説はこちらを参照→
無料検索エンジンJ-PlatPatで特許を簡易キーワード検索する方法を解説 - 人生を拡大する
1件目の公開特許公報(特開2017-161173)
出願日
2014年4月3日となっています。
審査請求されておらず、権利化されていません。
審査請求の期限も切れているので、これが特許になることはないみたいです。
なぜ審査請求しなかったのかはナゾです。
発明の名称
炭酸入り氷の製造方法
発明が解決しようとする課題
この公報によると、炭酸氷の製造方法がすでに他社から特許出願されているようです。
が、その方法では、
- 常温に放置したら細かく砕ける
- 飲料にしても細かく砕ける
- 氷が容器外に飛び散る
- 炭酸がすぐに抜ける
という欠点があったようです。
この欠点を乗り越えるべく、研究開発が行われたようですね。
課題を解決するための手段
①耐圧容器に水を入れる
②アルコールと炭酸ガスを溶かす
③圧力をかける
④冷やして凍結する
という方法で炭酸氷ができるみたいです。
さらには炭酸氷を容器から取り出したあとに、
⑤「アルコールをかける」「アルコールに漬ける」のどちらかの方法で、アルコールでコーティングする
という工程もあるみたい。
結構アルコール入ってそうだけど大丈夫なんでしょうか。
もしかするとアルコールが残ってしまうという不完全な方法だったので、特許出願したあとに、特許の審査を請求しなかったのかもしれませんね。
実際にこの炭酸氷シュワポップにアルコールが入っているという表示はありませんし、食べてみましたがアルコールは感じなかったので、現在売られているものにアルコールは入っていないのでしょう。
発明の効果
このアルコールを溶解させたり、アルコールでコーティングしたりすることがポイントみたいで、これをすることによって、常温に放置した場合や飲料にした場合でも形状を維持し、飲料に炭酸を供給し続けられる炭酸氷ができるみたいです。
ちなみに炭酸氷をつくるときに、アルコールを0.2~1%含ませるのが最も効果が高いらしいです。0.2%未満では効果が薄いとのこと。
逆にアルコールが多いと普通の冷凍庫では凍らなくなってしまうみたいです。
2件目の公開特許公報(特開2014-219194)
1件目の公報に書かれている製法は現在の炭酸氷には使われていないでしょう。
というわけで、より最近出願されたもう一つの公開特許公報も確認してみました。
出願日
2016年3月10日
これもまだ特許の審査をする請求が行われていません。
が、締め切りは「出願から3年後」なので、まだあと半年くらいは大丈夫です。
発明の名称
炭酸入り氷菓子及び同氷菓子の製造方法
発明が解決しようとする課題
①常温で炭酸氷が徐々に溶ける
②氷の表面に薄い膜ができる
③内部の炭酸がガスになって膨張
④内圧で表面の膜が細かく砕ける
⑤飛び散る
⑥飲用者の顔面に直撃!!
ということが起こる可能性があるのが課題だそうです。
折角楽しくお酒飲んでたのに、破裂した氷が顔面に直撃したら嫌ですよね。怪我しますよ。
この氷がはじける現象は「ガス封入氷菓子の宿命」とも書かれています。
そして細かく砕けて炭酸がすぐに抜けるというのも問題だったみたいですね。
なので今回の課題は、上記の課題を解決した氷菓子と、その製造方法を発明することが目的みたいです。
「1件目の発明で解決できたんじゃなかったのか!?」と思いますが、やっぱりアルコール入りというのがダメだったのでしょうね。アルコール入ってないほうが汎用性高いですもんね。
課題を解決するための手段
(1)炭酸入り氷菓子
- 「炭酸ガスと呈味成分入りの混合水」を凍らせ、それを破砕した氷のかけら
- 氷のかけらの角が丸い
- 呈味成分は人工甘味料、酸味料、果汁、着色料、香料などからなる
- シクロデキストリン分子が不連続な脱気ルートを作っている
という特徴がある炭酸入り氷菓子とのこと。
(2)炭酸入り氷菓子の製造方法
①耐圧容器に水を入れる
②呈味成分と炭酸ガス(とシクロデキストリン)を溶かす
③圧力をかける
④冷やして凍結する
⑤約10~25mm以下に砕く
⑥ふるいにかけて角を丸くする
という方法で作っているようです。
発明の効果
徐々に炭酸が抜けることで、「爆裂的な氷片破壊」を防ぎ、破裂が小さくなることで、
①怪我を防ぐ
②清涼感、爽快感が得られる
という効果があるようです。
シクロデキストリンは輪っかの形をした分子です。これがたくさん集まってトンネルをつくり、そこから炭酸ガスが外に出ていくとのことです。
まとめ
- 炭酸氷とは、炭酸入りの氷のこと
- シュワポップとは、フレーバー入りの炭酸氷のこと
- 一部の飲食店・娯楽施設で食べることが可能
- ウイスキーとの相性が抜群
- ネットで入手可能
- 2件の特許出願を行った、独自の製法が使われている
以上、炭酸氷について解説してきました。
取り扱っているところが多いとは言えませんが、一部の飲食店・娯楽施設や、ネットで手に入るみたいなので、ぜひお試しください!