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無料検索エンジンJ-PlatPatで特許を簡易キーワード検索する方法を解説

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この記事では特許庁の特許等の検索エンジン【J-PlatPat】を使って、特許を簡易キーワード検索する方法を解説します。

  

特許を検索したいんだけどやり方が全然わからない!という初心者向けの内容です。

 

 

なぜ特許検索/調査を行うのか?

検索を始める前に、なぜ特許検索/調査を行うのか、その目的を明確にすることが重要です。

なぜなら特許検索は目的によってやり方が変わるからです。

以下に代表的な目的を例示します。

 

①研究開発を始める前

「技術動向調査」とよばれる調査を行います。

他社がどのような技術を持っていて、どのような方向性で研究開発を進めているのかを知るために行います。

 

②製品を出す前

「侵害予防調査」とよばれる調査を行います。

自社の製品が、他社の特許を侵害していないかを確認するための調査です。

 

③特許を出願する前

「出願前調査」とよばれる調査を行います。

自分が出す特許が、「新しい」のか、世の中にある他の技術よりも「進歩している」のかを調べるための調査です。

特許になる可能性が低いのに特許出願する必要性は低いですもんね。お金もかかりますしね。

 

④自社の製品が他社の特許を侵害しているかもしれない時

「無効資料調査」とよばれる調査を行います。

自社の製品が他社の特許を侵害しているとなると、他社から

あなた!私たちの特許を侵害してますよ!お金払ってください!製品つくるのやめてください!

と言われる可能性があります。

 これを避けるために、こちらからできることとしては例えば、

いやいや、あなたがたの特許、本当は特許として価値がないんじゃないですか?だってほら、あなた方がその特許を出す前から、その技術は世の中に知られてるんですよ?

といったかんじで、「無効資料」を見つけることができれば他社の特許をつぶすことができます(他にもいくつかありますが今回は触れません)。

 

以上4つが代表的な「調査/検索の目的」です。

これらの目的を明確にすることで、効率的に必要な情報を集めることができます。僕も仕事で調査をする際は必ずこれらを意識してやっています。

 

そしてもう一つ、以下の⑤も大切な検索目的だと僕は思っています。

⑤知的好奇心を満たす

 その名の通り、知的好奇心を満たすための検索です。もちろん仕事中にこれをやってはいけませんよ。僕は家でやっています。

でも家でやるとなると、会社で使っている検索ソフト使えないじゃないですか。

そうなると無料公開されてる特許検索エンジンを使わないといけなくなりますよね。

そこでオススメなのが、J-PlatPatです。

方法としては上記①~④の調査を行うときの方法を使ってもいいですし、簡単な「キーワード検索」だけで済ませてもいいと思います。

だってこれは仕事としてやるわけではないのですから。とりあえず検索できればいいのです。普段やっているGoogle検索のようなかんじですね。

というわけで今回は、特許庁の特許等の検索エンジン【J-PlatPat】を使って、特許を簡易キーワード検索する方法を解説します。

 

J-PlatPatへのアクセス方法

Googleで「J-PlatPat」と検索すればヒットします。

「特許・実用新案、意匠、商標の簡易検索 - J-PlatPat - INPIT」をクリックしてください(下図参照)。J-PlatPatを開くことができます。

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一応リンクも貼っておきます。よく使う人はブックマークしておきましょう。

特許情報プラットフォーム|J-PlatPat

  

簡易キーワード検索する方法

今回は簡易キーワード検索の方法をお伝えします。特許検索の一番簡易的な方法です。

ちょっとした趣味程度であれば、この方法で十分だと思います。

僕も職場では複雑な検索式を使って検索をしておりますが、家に帰ってまでそんなことやりたくないですからね。

趣味で検索するときはいつもキーワード検索をしています。

 

J-PlatPatにアクセスすると、最初に下図のような画面が出てきます。

今回行う簡易キーワード検索には、図中の赤枠部分を使います。

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例えば今回は、ジュースの特許を調べることにします。

 

①まずは一番左のプルダウンが「特許・実用新案を探す」になっていることを確認します。これがデフォルトの状態なので、この部分はいじらなくて大丈夫です。

 

②次に、検索したいキーワードを真ん中の検索窓に入れます。

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③そして一番右の検索を押します。

 

アラートがでましたね。検索結果が3000件を超えた場合、このようにアラートが出るようになっています。

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というわけで検索結果の絞り込みを行わなければなりません。

 

簡易検索画面で検索を行うのであれば、キーワードを追加して「AND検索」を行う必要があります。

今回は野菜ジュースを検索することにしましょう。

 

①まずは検索窓に「ジュース 野菜」と入力します。ジュースと野菜の間には空白(スペース)を入れてください。

 

②そして次に、検索窓の右側のプルダウンが「AND」になっていることを確認してください。

※「OR」にしてしまうと、「ジュース」又は「野菜」を含む特許を検索してしまうため、先ほどよりさらに大量の特許がヒットしてしまいます。

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③そして先ほどと同様に、一番右にある「検索」ボタンをクリック。

すると、検索窓の下にヒット件数が表示されます。今回は754件ヒットしました。3000件より少なかったので、次に進むことができます。

④件数の右にある「一覧表示」をクリックして下さい。

 

すると、検索結果一覧が表示されます。

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上下方向に、色々な特許が並んでいますね。

左右方向には各特許の基本情報が載っています。

「発明の名称」と「出願人」に注目し、画面を下にスクロールしながらどんどん見ていきましょう。

ちなみに「登録日」が「-」となっているものがあります。これは、情報が公開はされたけど、特許としては認められていませんよ、ということを意味しています。

出願したものがすべて特許になるわけではないのです。

なので場合によってはずっと「-」のまま、特許にはならないものもあります。

 

さて、画面をどんどん下にスクロールしていくと、気になる特許がありました。

「スターバックス・コーポレイション」が「飲料および他の食品のための生物的保存法」という特許を取得していますね。

野菜ジュースとあんまり関係なさそうな気もしますが、知的好奇心を満たすための「趣味」としてやっている検索なので、なんでもいいんです。

気になったらどんどん開きましょう

この特許を見るためには、下の図でいうとの赤枠で囲った部分をクリックします。

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すると、下の図のような画面が開きます。

ここから特許を見る方法はいくつかありますが、僕は「文献単位PDF表示」から見ることをオススメします。

下の図でいうと赤枠の部分をクリックしましょう。

ちなみに他の方法だと、解像度が低かったり、ページ送りに時間がかかったりします。

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すると下の図のような画面が開きます。数字を読み取って、赤枠にその数字を打ち込んで「送信」しましょう。そうすると特許が開きます。

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以上がJ-PlatPatを使って特許検索する方法でした。

 

ちなみにキーワード検索ひとつとっても、より高度な検索方法がありますし、その他「特許分類」を使って行う検索もあります。

趣味程度であればここまでやる必要はないと思いますが、気になる人は特許庁が発行する「マニュアル」や「講習会テキスト」を確認してみてください。

下記のリンク先からダウンロードすることができます。もちろん無料です。

[INPIT]パンフレット・マニュアル・講習会テキスト等 | 独立行政法人 工業所有権情報・研修館

 

まとめ

  • 特許検索/調査を行う前に目的を明確にする。それにより調査方法が変わる。
  • 無料検索エンジンJ-PlatPatで特許を簡易的にキーワード検索することが可能。
  • ちょっとした趣味程度であれば簡易キーワード検索で十分。

 

特許を読み慣れていない人にとっては、特許公報を読むのがまた大変ですよね。

なので次回は「特許公報の読み方」について解説しようと思います。

もしかしたら「より高度なキーワード検索方法」について解説するかもしれません。

 

以上、みなさんの知的好奇心を満たす一助になれば幸いです。

ぜひ色々と検索してみてください。