人生を拡大する

知財で人生の拡大を企てるブログ

生きたい。僕は僕のために、明日も生きたい。

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最近、知人が、天に旅立った。

 

友人ではなく、知人。知人であって、友人ではない。それが僕にとってはせめてもの救い。そうやって、そう思うことで、僕は僕を安全地帯へと導く。

 

思い出は、ある。遠い、断片的で、でも鮮明な思い出がある。

 

僕はこれまで生きてきて、何かを成し遂げたと感じたことがない。「そこそこ」に到達すると、別のことに興味を持ってしまう。限界を知るのが怖いのかもしれない。つらいのが嫌なのかもしれない。それを考えることすら、遠ざけたい。そう思っていた。

 

そんな僕が一度だけ、今にして思えば一度だけ達成感を味わったことがある。彼のことを思い出して、その達成感の記憶を思い出した。

 

中学生の時の合唱コンクール。

誰かが持ってきた、前年の、合唱コンクールのCDを聞いた。MDだったかもしれない。優勝したクラスの合唱を聞いた。鳥肌が立った。思えばその瞬間から、みんながひとつになっていた。

 

中学生だったぼくらはそんなことを知ってか知らずか、毎日練習した。来る日も来る日も練習した。ゴールを目指して練習した。

  

そして本番はやってきた。ぼくらは練習通り歌った。そして、優勝した。

 

彼はその中心にいた。中心人物という言葉がこれほどまでに似合う人はいないだろう。

 

中学くらいまでは、運動神経が良い人、話が面白い人がクラスの中心にいる。そのどっちかがあるだけで、クラスの中心人物になれる。

 

彼はそのどっちも持っていた。ザ・クラスの人気者、である。そんなみんなの中心でありながら、決してスクールカースト上位にはなれない僕とも仲良くしてくれた。

 

そんな彼が、今はもういない。彼は天に旅立ったのか、仏になったのか。むしろ初めから仏だったのか。そんな優しい人だった。

 

単純な僕は、生きたい、と思った。彼の分も、ではない。僕は僕のために、生きたい。

 

もしかするともう折り返し地点を過ぎているかもしれないけど、それでも、いや、だからこそ生きたい。

 

イキガミというムナクソ漫画がある。唐突にその漫画を思い出した。ムナクソ悪くなるので全然オススメはしない。 

「イキガミ」は二十歳前後の若者、全員に配達される可能性がある。「イキガミ」をもらうと24時間後に死ぬ。それを国家政策として行っているという設定の漫画である。

死が身近にあることで、生きられることに感謝する、そのために「イキガミ」が存在する。

 

そんな「イキガミ」なんかなくても、世の中は死にあふれている。全然ありがたくないことに。

 

僕は、生きたい。僕のために、明日も生きたい。